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写真に写っている人物: である川上裕子

私たちは床に座っている。女性の声はトンコリという木製の楽器の音と絡み合っている。貴美子はー弦ずつそれを調整している。最年長のアイヌである川上裕子は私たちの間に座り、広々とした鞄から持ってきた物を取り出し始める。灰色のカーペトの上にそれらを広げてから、語る。白黒の家族写真、手染めの糸が入れているざわめく小袋、針、木製の指貫、やりかけの刺繡品、アイヌのお守り。物語の言葉は、これらの物を生々しい思い出とつなぐ糸のようである。人生の断片が現れる。彼女は声音が太く、若干嗄れており、彼女の手が踊り、視線が強くて鋭いである。彼女の目に映るのは数多くの女性である。 

女性史というのは、体内から引き出される物語である。一糸ずつ、一言ずつ、一息ずつ。私たちはそれらを時間と空間に伸ばし、二人の間、大陸の間、国境を越えて切れないように慎重に広げる。私たちはそれらを大切にし、それらは私たちをつなぐ。

『女は語る』(Mówi ONNA)について最初に思い浮かんだ考えから導き出した出発点は、アイヌ民族というマイノリティ出身の女性たちの歴史だった。『女は語る』という言葉を発するとき、オーラルヒストリーのことが頭に浮かぶ。アイヌ民族(その他)の伝統文化を伝えるのに使われた口頭伝承のことが。今日まで沈黙している共通した風景を震わせる女性たちの声が。火を囲みながら、女性たちとその身体に漂う生きいきとした出来事の間に走る、一時的な緊張感にさらされて、集中したことが。

本展示の遊牧的な特徴を予定していた。最初的に全ての作品は、ポーランドの芸術家とアイヌの女性たちの会合の物質的な痕跡、ノート、遺物として日本で作成されることを想定した。地図上に、札幌・白老・紋別・東京という特定のポイントに印が付けてあった。私たちはそれぞれの場所で、その場所との関連から生じる現実の断片や新しい作品を収集したり作成したりしたかったのである。それぞれの場所での停止には、会合かつ展示会の開会が伴うはずだった。そこで一緒に食事や物語するなどの儚い出来事は、決まっているが、保存されない部分になり、内的あるいは外的な要素に敏感なそれぞれの「開会」の流動的な部分になるはずだった。女性史は、その場その時に口頭で伝えるようになるはずだった。本展示は元々物語するきっかけとなる予定だった。

パンデミックのため、実際の会合および女性史とともに日本を旅する予定は、数時間の大陸間オンライン会議および航空便に仲介された触覚的な対話に代わった。キーワードは:日常・親密さ、身体性、記憶。要するに、『女は語る』のオンライン展示は、女性史の欠片を収集し、直接で触覚的な出会いの憧れを表現する。

[ナタリア・ヒリンスカ、カタジナ・パストゥシャク]